茨城県藤代町大夫落水路の低質改善

 目 的 

: 川底に堆積したヘドロによる悪臭の発生を防止する。

実験方法 

: 川底に木枠で4uに区切り実験区。対象区を設けました。

 

   菌体投入日・投入量    平成12年 1月25日   1個

 

                平成12年 2月22日   1個

     1月25日、2月8日、2月22日、3月31日に両区のヘドロを採泥及び採水し、分析しました。

 

実験区域

対象区のヘドロ(2月8日)
粘性が高くドロドロした状態で悪臭がひどい

実験区のヘドロ(2月8日)
投入後約3週間
硫化物 0.48r/g → 0.18r/g
強熱減量 4.7%  → 4.0%
粘土が 少なく砂が目立つ。悪臭はそれほど感じられない。

 

対照区に対する強熱減量、硫化物量について
対照区での強熱減量は2.7%〜6.6%、硫化物は0.19〜0.57mg/gと自然環境の変化により大きく変動していましたが、実験区では1.9%〜4.0%、硫化物についても実験区で0.01〜0.48mg/gでした。
また、ORPについても対照区の方が常に低い数値となりました。ORPは-200mv以下になると硫化水素が発生しやすくなります。
強熱減量(有機物)、硫化物とも自然負荷変動にもかかわらず固定化菌体により、分解・除去されているものと思われます。また、対照区に対する除去率の不安定な結果は、対照区の値が大きく変化(自然負荷 変動が大きい)した為と考えられます。

 

まとめ
実地実験では、3月20日前後の降雨のための増水、家庭排水などによる自然負荷の 大きな変動があり、特に水質については、最終採水日(3月21日)の分析結果に大き なばらつきが生じました。しかし、底泥について(強熱減量・硫化物量)はほとんど影 響なく、浄化が進んでいたものと思われます。なぜなら、固定化菌体投入前に対する実 験区での除去率をみてみると、固定化菌体投入による分解・除去は十分に行われている と考えられるからです。

実験結果に基づき固定化菌体を投入した結果以下の表のような結果が得られました。

 

硫化物
強熱減量
ORP
無施用区
3.97mg/g
12.8%
−230
施用区
0.99mg/g
10.5%
−140
測定日:平成13年2月8日
以上の様に悪臭除去及び底質改善について十分な結果が得られました。

 

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