光合成細菌は現在でもヘドロの中など有機物が多く汚れた環境下には成育しており、浄化活動を続けています。しかし多大な量の汚染物質や成育しにくい無機的環境に晒され、劣性を余儀なくされているのです。そこで人為的に光合成細菌を投与することにより、活動の場を作るのです。しかし、ただ放り込めればよいというものでもありません。微生物はある環境に1個存在しただけでははたらくことができません。ある程度の個体数とその増殖環境がととのって初めてその特長を発揮します。空気中にはたくさんの微生物が浮遊していますが、食物の腐敗や病気の感染を思い起こせば理解いただけるかと思います。微生物の世界に限りませんが、先住者が強くよそ者は弱い立場にあります。その原因は、数的な優劣もありますが、その環境にて、適したものが専従しているか、先住者がその環境をつくり上げているからです。ヘドロに棲むのは現在劣性の光合成細菌と汚染・酸欠の悪循環をつくりだしている圧倒的優勢の有害微生物です。試験官の中ならいざ知らず、自然の中(開放系)で大きく微生物層を変えるには

  ●有害微生物に対抗できる量の菌体を投入する。

  ●外的因子の影響から守る。

  ●有機物(餌)を供給する。

 という条件をクリアしなければなりません。

 
     
微生物層を変えるには
 


 
     
     
 

吸着性・透水性・保水性・断熱性というような優れた特長を持つ天然多孔質溶岩は、光合成細菌にとって非常に好い棲家となります。

  ●多量の光合成細菌を吸着する。

  ●保水性に優れ、減水時などに光合成細菌を乾燥から守る。

  ●天然素材で、光合成細菌を阻害する物質を含まない。

  ●透水性・吸着性に優れ、光合成細菌が水中の有機物(餌)を摂取しやすい

 
     
光合成細菌にとっての天然多孔質溶岩
 


 
     
     
 

木炭などを、ろ材として水に沈める浄化法も効果のあることが確かめられています。しかし、あまりにも細かく均一な孔のため自然界の水中では、汚濁物質で目詰まりをおこし、効果の持続が問題となります。天然多孔質溶岩に光合成細菌を住まわせた場合、吸着する汚濁物を菌が分解して石の機能を維持してくれます。汚染がひどく万一目詰まりをおこした場合、光合成細菌を追加投入することにより回復できます。

 
     
光合成細菌と天然多孔質溶岩による浄化